今回は胃切開により胃から大量のひも状異物を摘出した症例のお話です。
この症例は多頭飼育崩壊により、ティアハイムさいたまで保護されたマルチーズのうちの1頭で、過去にすでに避妊手術済だということでした。
しかし、手術の閉腹が上手にできなかったようで3か所で腹壁ヘルニアを起こしていたため、腹壁ヘルニアの整復と、本当に避妊手術が完了しているか(手術が帝王切開だった場合、子宮卵巣が残っている可能性がある)を開腹して確認するために当院を受診しました。
術前の検査で絶食しているにも関わらず、胃内に大量の内容物があることが分かり、胃切開をしたところ大量の黒い紐が出てきました。
嘔吐も食欲不振もなかったのが信じられない状況です。
胃切開、腹壁ヘルニア整復、歯石除去・抜歯と盛りだくさんの手術でしたが術後は当日夜から柔らかいご飯も食べ、何事もなかったかのように元気に過ごしました。
当院では胃内異物、腸閉塞などの消化管の手術にも対応可能です。また内視鏡による胃内異物の摘出も可能です。
異物を誤食してしまった場合
①吐かせる
②内視鏡で胃内から摘出する
③開腹により胃や腸内の異物を摘出する
④経過観察(それほど害のある大きさや形をしておらず、異物が胃内にあるかも不明な場合など)
という選択肢があります。
どの方法を選択するかはケース・バイ・ケースですが、当院ではすべての方法に対応可能です。
異物摂取をしてしまった、急に頻回に嘔吐し始めて何か腸に詰まったかな?という場合は当院にご相談ください。