発泡スチロールの玉を飲み込んでしまい胃切開で摘出した犬(内視鏡で摘出できない動画あり)

フレンチブルドッグ 4歳 避妊♀
前日の夜、発泡スチロールの装飾の玉を飲み込んでしまった
その後、今朝早朝と8時に嘔吐したが発泡スチロールは出てこない

発泡スチロールは基本的にレントゲン検査では映らない素材ですが、その他の異物を飲み込んでいないかや腸閉塞を起こしていないかなどの確認のためレントゲン検査を行いました。

今回の症例では右ラテラル像、VD像、左ラテラル像と3方向のレントゲンを撮影しています。

右ラテラル像と左ラテラル像では、胃の中の空気が移動することで異物が見つけやすくなるといったメリットがあります。

今回の場合は右ラテラル像と左ラテラル像で胃内の空気の位置が変化しませんでした。
→ということはこの空気の映り自体が発泡スチロールなのでは!だって発泡スチロールって空気の粒をいっぱい含んだものだし!

さらにそれを裏付けるようにVD像では空気の玉のような映りが胃の真ん中に!
場所的に注意深く見ないと見落としてしまいそうです。(白黒反転することで見やすくなることもあります)

ということで胃の中に発泡スチロールの異物があって、吐こうにも吐き出せないという状況が分かりました。

あとはこの胃内の発泡スチロールをどう取り出すかです。

発泡スチロールは内視鏡の小さな鉗子で掴んでもすぐに崩れて引っ張り出せないことが予想されたので、飼い主様には内視鏡での摘出は試してみるけれど、おそらく材質的に難しいので開腹して胃切開になることが予想されるとお伝えしたうえで、お預かりしました。

予想された通り、発泡スチロールは内視鏡鉗子で掴んでもけん引する途中、胃の入り口の部分で崩れてしまい、胃の中から引っ張り出してくることができなかったため、胃切開手術により異物を摘出することとなりました。

内視鏡で異物摘出を試みたところ。

今回の子は4歳でしたが、一般的に子犬、子猫の時期は特に好奇心旺盛で異物摂取が起こりやすい時期です!
「うちの子は何でも口に入れてしまうな」という場合は、口に入れてしまいそうなものを環境から排除してあげるようお願いします。


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