今回の症例は猫の大腿骨の骨折です。
仕事から帰宅したら、全く動こうとしない様子で、ご飯を出しても動かない為、立たせてみると、右後ろ脚の力が入っておらず、すぐ伏せる。という主訴で来院され、検査の結果、右大腿骨のらせん骨折が認められました。


当初は当院にて手術を行う予定でしたが、手術に必要なピンが早くて1週間後にしか届かないということが判明し、なるべく早く施術できる病院を探していただくことになりました。(骨折後時間が経ちすぎるとズレた場所で骨がくっつき始めてしまう為)
しかしその後、紆余曲折あったようで、最終的に当院で手術を行うこととなりました。


骨折発生の10日後の手術となりましたが、やはり骨折片は移動した場所でくっつき始めていたのでそこから骨と骨を剥がすところから始まります。
また骨折して時間が経つと筋肉も縮こまっており、骨折端をもとの正しい位置に戻すのも時間を要します。






今回はらせん骨折で骨折面も長かったため、ステインマンピンとサークラージワイヤーによる整復を行いました。
術後は1~2週間の入院で安静にてインプラントの破綻やズレなどがないか経過観察を行います。






猫の後ろ足は特に、ジャンプなどをする際に大きな力が加わるため、しばらくはケージレストにて安静が必要です。
また、インプラントによる感染などが起きないかも慎重に経過観察する必要があります。