膀胱結石(リン酸アンモニウム・マグネシウム、リン酸カルシウム)の摘出

トイプードル 4歳 避妊♀

今回はトイレではない場所でおしっこをしてしまうようになり、その原因が膀胱結石であった症例です。

少し前にトイレを失敗するようになってしまい、その後トリミングに行った際に血尿かもしれないと言われ、当院を受診されました。

レントゲン検査の結果、膀胱内と尿道に複数の結石が見つかり、不適切排尿(トイレの失敗)や血尿の原因が結石であることがわかりました。

初診時のレントゲン


まずは食事療法により結石が溶けるかを試すため、2週間療法食のみを与えて経過観察としました。

すると、再診の前夜に排尿困難となり、夜間救急を受診したところ、尿道内に結石が詰まっており、尿道にカテーテルを挿入して生食をフラッシュし、結石を膀胱内に押し戻してもらったそうです。

2週間後のレントゲン


再診時のレントゲン検査では結石はやや小さくなっているものの、2週間という経過にしては溶け方が遅い印象でした。

この時、飼い主様には「結石は縮小傾向にありますが、溶解速度が緩やかなため、溶解するタイプと溶解しないタイプの混合型の結石である可能性がある」とお伝えしました。
もう2週間療法食で経過観察を行う選択肢もありますが、小さくなった結石が再度尿道に詰まってしまう可能性や混合型の結石の場合ある程度のところで結石がそれ以上小さくならない可能性などもお伝えしたところ、手術による結石の摘出を希望されました。


結石分析の結果リン酸アンモニウム・マグネシウムとリン酸カルシウムの混合結石でした。

リン酸アンモニウム・マグネシウムはストラバイトとも呼ばれ、療法食による食事療法で溶ける可能性があります。
しかしリン酸カルシウムは食事療法では溶けません。

ですので食事療法を続ければもう少し結石が小さくなったかもしれませんが、最終的にはリン酸カルシウム結石が残り、手術が必要になったと考えられます。

術後はトイレ以外でのおしっこの失敗もなくなり、経過良好です。


頻尿、血尿やトイレではない場所で粗相してしまうなどの症状がある場合には膀胱結石の可能性があります。

ぜひ一度動物病院にご相談ください。

\ 症例紹介はこちら /
症例紹介


当院では動物病院で窓口精算できるペット保険(アニコム損保アイペットペット&ファミリー)に対応しております。

関連記事

  1. おにぎりくん猫カフェデビュー!

  2. MOWくん♂

  3. ジジちゃん♀

  4. FIP(猫伝染性腹膜炎)ドライタイプの診断と治療

  5. お尻から虫がニョロニョロ!

  6. うにちゃん正式譲渡決定!

PAGE TOP