内科

神経内科

けいれん発作、起立困難、ふらつき、歩様の異常、流涎などは脳や脊髄の病気である可能性があります

脳の病気は脳炎、脳梗塞、脳腫瘍など様々で、また脳のどの部分に病変があるのかによって症状も様々です。けいれん発作を起こすこともあれば、起立や歩行困難、半身麻痺などの症状が出ることもあります。
犬種により脳炎や水頭症を起こしやすい犬種もいますが、低血糖、肝不全、腎不全、ホルモン疾患など脳神経症状の根本原因が脳以外にあることもあるため注意が必要です。
脊髄の病気も椎間板ヘルニアや脊髄梗塞、脊髄やその周囲の腫瘍など様々です。また脊髄圧迫や損傷の度合いで重度の麻痺を起こす場合もあれば、病変部位の痛みのみで麻痺には至らない場合もあります。(脊髄の圧迫の程度と麻痺の重症度が一致しないこともあるため症状だけでその後の経過を予測することはできません。)病変の部位により麻痺がおこる場所も変わるため、まずはどの部位に麻痺がおこっているのかを検査します。
脳の病気が疑われる場合も脊髄の病気が疑われる場合も診断の確定にはMRI検査や場合によってはCT検査、脳脊髄検査が必要です。しかし、まずは一般的な身体検査、神経学的検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査で神経症状を起こすその他の病気がないかを確認します。
それらの検査を行ったうえで神経症状の原因となる異常がない場合は、MRI検査の必要があるため専門病院をご紹介し、精密検査を行います。(※当院にはMRI検査装置はございません。)

血液検査
脳や脊髄の病気が疑われる症状であっても血液検査は重要です。
脳神経症状を起こすような低血糖(パピーキトンシンドローム・インスリノーマ・アジソン病)、高窒素血症(腎不全)、高アンモニア血症(肝不全・門脈シャント)がないかを確認します。

レントゲン検査
レントゲン検査では、脊髄疾患が疑れる場合には背中や腰の椎体(背骨や腰骨のこと)の異常や椎体と椎体の幅、椎間板の移りの異常などを観察します。また、小型犬や一部の大型犬は頚部の脊髄疾患も多いため、首のレントゲンを撮影することもあります。
それに加え、心臓、肺、腹部臓器に異常な写りがないかも確認します。

超音波検査
超音波検査では血液検査に異常があった場合には、異常が見つかった臓器の形態や腫瘍の有無を確認します。
また、腹水の有無も確認します。(昔、救急にいたときに椎間板ヘルニア疑いと紹介されてきたダックスが実は血腹(腹腔内の腫瘍破裂)だった、なんてことがありました。犬種による絞り込みは大事ですが先入観だけで診療すると大きな誤診につながります。)
心臓の聴診で不整脈が疑われる場合には、超音波検査で心臓の動きに異常がないかを確認します。

MRI検査
上記の検査にて神経症状を起こす明らかな異常がない場合には診断確定のためにMRI検査を行います。
MRI検査は全身麻酔下で行う検査であるため、上記の検査は麻酔前の検査としても重要です。
腫瘍が疑われる場合などは脳脊髄液(CSF)検査も同時に行います。
※当院にはMRI画像装置はないため、検査が必要な場合には専門病院をご紹介させていただきます。

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